








SOLD OUT
デンマークのデザイナー Mogens Koch(モーエンス・コッホ)が、1932年にデザインしたMK FOLDING CHAIR(フォールディングチェア)
デンマークの教会で使用する補助椅子のコンペ用にデザインしたもので、古典的なディレクターズチェアから着想を得ています。X字の脚が特徴的ですが、発表当時のデンマークではこのようなデザインの椅子は普及しておらず、商品化されることはありませんでした。その30年後、デンマークモダンの世界的なブームとなった1960年代に製品化され、人気を博しました。
モーエンス・コッホのフォールディングチェアは、簡易的な折りたたみチェアとは一線を画す美しいデザインが魅力です。フレームにはビーチ無垢材、背座にはキャンバス、アーム部分にはヌメ革、金具には無塗装の真鍮を使用しています。またキャンバスや革、真鍮は使い込むほど風合いが増し、年を重ねるごとにその表情を変えていきます。
座面や背もたれは、両端のフレームを繋ぐように取り付けられたキャンバスのみ。一見すると不安定に感じるかもしれませんが、余計なフレームがないことで体にフィットして快適に座ることができます。また前後の脚を真鍮リングに通しており、リングが上下することで折りたためるシンプルな作りになっています。美しさだけでなく、使い手のことを考えられた機能面もこのチェアの魅力といえます。
日本の建築家、吉村順三(1908-1997)は、モダニズム建築の旗手であると同時に、家具の選定にも強いこだわりを持っていたことでも知られ、モーエンス・コッホのこのフォールディングチェアに深く共鳴し、自身の建築作品にたびたびこの椅子を採用しました。
特に、軽井沢の山荘や湯河原の住宅などの設計で、この椅子が使用されていることが確認されており、吉村の空間美学と非常に親和性が高いと評価されています。建築と家具が一体となることを重視した吉村にとって、この椅子は「使うための道具」としての完成度が極めて高く、なおかつ空間に溶け込む控えめな美しさを持つ稀有な存在でした。また吉村はこの椅子の良さを多くの弟子たちにも伝えており、日本における北欧家具への理解と普及にも一役買った存在となっています。
全てを兼ね備えたモーエンス・コッホのフォールディングチェアを、是非ご自宅のリビングやテラスで体感ください。
※現在はGETAMA社によって、オーク材によって生産されています。参考価格 218,900 円(税込)
メーカー:Rud.Rasmussen社(ルド・ラスムセン)
サイズ:奥行50cm 横幅50cm 座面高45cm 背高87cm
主 材:フレーム(ビーチ無垢材)
座面、背(キャンバス/ナチュラルホワイト)
アーム(ヌメ革) 金具(真鍮)
仕上げ:無塗装
※中古品につき多少のキズ、スレがございます。ご理解の上ご購入ください。
※左右アームヌメ革に1点ずつ少シミあり
※座面、背もたれフチ部分に少シミあり